短歌log4

消えていく鈍色の缶つみ重ね 年老いた猫は食欲の秋

ひゅうひゅうと奏でるものはヤカンなり 音楽会は今日も盛況

秋となり衣をかえる時期がきた ひとふさ、ふたふさ 抜けるその毛

黙々と縫いてゆくなりぬいぐるみ ただひとときの勢いとノリ

さらさらとすり抜ける君、雪の花 黄昏に染む恨めしい今

初雪は気づけばそこにあるものよ 進学先でようやく知った

君はもう雪溶けの中消えていた 無駄になったな折り畳み傘

あなたにも見せてあげよう雪の花 顕微鏡とは野暮なものだね

雪ふわり、初めて君と手をつなぐ からむ指先が熱をはらむ

水面より底に沈んでいたいなあ あたたかな泥の中で眠る

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