第15話 探し物と探し人・1

「はなして! はなしてよっ!」 「待てってば! 冬の川に入るなんて、バカだろ!」 「うるさい! アンタには分からないでしょ!」  早く、早く。見つけないといけない。  お母さんから預かった、お母さんの大切な赤い飾りのつい […]

第14話 走り出す少年たち

 コガネくんは、コガネくんのお母さんと一緒にこの町にやって来たらしい。  あの日、僕がコガネくんのお母さんに「もし、探している人がいるなら花屋さんに行ってみてください」と言ったのを聞いていたコガネくんは、どうしようかと迷 […]

第13話 コガネ、再び

「あー! いい、朝!」 「うーん、太陽が出ているから雪解けには気をつけないといけないね~」 「ショッパ……」 「ヒロト。本当のことだよ?」  分かってる。分かってるけど、言わないでほしかった。  これでアカリさんの捜索が […]

第12話 山の子供たちと疑問・3

「えっ、それ……花火じゃないの?」  ショッパが持ってきた赤いロウソクを見ていると、エン太くんが残念そうにそれを見て言った。  他の子たちも、同じように残念そうにしている。  この子たち……、本当にこれが花火だと思ってい […]

第11話 山の子供たちと疑問・2

「ねえ、あの子たちすっごい睨んでるよ?」 「睨んでないわよお、気のせいだって」  いや、どう見ても睨んでる子がいるんだけど……。 「ほらほら、ヒロト。川の近くにいる子はあの子たちだけなんだから、もしかしたらアカリさんを見 […]

第10話 山の子供たちと疑問・1

 ガタゴト、ガタゴト。ガタッ、ガタゴト。  ロロさんにお礼を言い、港町中央のバス停で南美橋方面行きのバスに乗ってから二時間ほど経っただろうか。  めちゃくちゃお尻が痛い。そして、振動で腰も痛い。 「背中まで痛くなってきた […]

第9話 港町とロロ・3

「お待たせ~。ごめんね、時間かかっちゃって」  ロロさんが自室のある二階から降りてきたのは、メルが眠ってから十分も経たないうちだった。 「飲み物を用意しようと思うんだけど、ヒロトとショッパはなにがいいかな? ちなみに、コ […]

第8話 港町とロロ・2

 お姉ちゃんのあとについて行くと、そこは港の近くにある二階建ての家だった。 「ここが私の家。パパは遠くの町の漁に参加しているから、しばらく帰ってこないし、ママは夜勤で今日は帰ってこないから、気にせずに入って」 「えっと、 […]

第7話 港町とロロ・1

 港町中央。  雪はそれなりに積もっているけれど、人通りが多いせいか歩くのに苦労はしない。  ……いや、する。  踏み固められた雪は滑りやすくて、スパイクのついた靴ではなく、ただの長靴を履いている僕には少し歩きづらいのだ […]

第6話 正八との出会い

 バス停は、思ったより遠くにあって、コガネくんのお母さんから逃げるように走ってきた僕は、バス停に着いたころには息も絶えだえ。  思わず咳き込んでしまったほどだ。  雪が地面に積もっているのに、よく走ることができたなあ。 […]