風さやぐ森で微睡む

 燦々と降り注ぐ太陽の光が木々の隙間から森へ差し込む。  精霊と魔物が棲まう森――魔物の森に、近隣の村に住む子供たちが遊びに来ていた。時間は昼時を過ぎた頃。各自家から持ってきた弁当を食べ、昼寝をしている子供の姿も見受けら […]

エセルと毛玉と伯爵家

●あらすじ ここは、ウニディムルフ王国ミラスト領。そのミラスト領を治める公爵家に、エセルというスカラリー・メイドがいた。仕事のキツさに夜逃げする者も多いスカラリー・メイドになって今年で二年目のエセルは、クッキーを作り、休 […]

好きと嫌いは紙一重 第3話

○リビング(朝) 満木彩女 「ん……、朝か」 「……いつの間に寝ちゃったんだろう」 気づけば、日が昇っていた。 ――彼は、帰ってきていないようだ。 (もしかして、ファミレスで私があんな事を言ってしまったから……) (帰っ […]

好きと嫌いは紙一重 第2話

○スーパー(夕) 今日も一日の仕事が終わった。 常連のおばあちゃんに少し肌が荒れていると言われたのは、少し悲しい。 きっと、ストレスだ。 事務所へ行き、タイムカードをきる。 満木彩女 「お疲れ様でした~」 事務所には、店 […]

好きと嫌いは紙一重 第1話

○リビング(昼) 満木彩女 「さて、後は同居人の到着を待つだけかぁ」 満木彩女、27歳。 就職活動に失敗してから、高校生の時からお世話になっているスーパーでレジ店員として働いている。 (女の子だと良いなぁ……) 今日から […]

好きと嫌いは紙一重

●あらすじ  満木彩女、27歳。就職活動に失敗し、高校時代からのバイト先であるスーパーのレジ店員として働いている。ある日、母から父方の祖父母の介護をするために引っ越しをする話を聞く。  彩女も両親について行こうとしたが、 […]