美しい声が聞こえた。それは幼いころから聞き慣れた甲高い声ではなく、ふかふかの毛布で包み込んでくれるような温かい声。 ――ああ、彼女は夢を叶えたのだ。 画面の向こうに映る彼女は、数年前まで斜め向かいの一軒家に住んでい […]
月: 2017年10月
リックとゆいちゃん
さんさんと降り注ぐ太陽の下、ごろりと寝転ぶまあるい毛玉がいた。 名前はリック。猫のリック。大好きなものは飼い主のゆいちゃんと煮干し。そして、お昼寝だ。 「リックー! リックんー? リッちゃーん!」 にゃっ! ゆいち […]
思うがまま
大きもの小さきもの この世の全てのものたちは 生まれ落ち死にゆく そのサイクルを紡ぎ続けるのみ 良きもの悪きもの この世の全てのものたちは 正しきも悪しきも その両方を抱き続けるのみ 愛せ愛せ 我が身を彼のものを 哀せ哀 […]
気ままな猫
日々を必死に生きている ゆったり眠りにつきながら 日々を必死に生きている 人と共に、ひとりで好きに お腹いっぱい食べたいな ぐっすり眠って夢を見たいな 争いも適度に生きたいな 雨風しのいで過ごしたいな 生きて生きて 日々 […]
I’ll never forget you.
遠く離れた場所に行く君に伝えたかった言葉がある 「君のことが好きだよ」って、ありきたりな言葉を もう、叶わないんだけどね 初めてクラスメイトになった時、君とはすぐには話せなかった 俺はたいそう人見知りなものでね 一ヶ月経 […]
BAKKEN
色とりどりの花火たち とても、綺麗な色をしてるわ 赤、青、黄色、緑に白 どれもこれも、美味しそうね 花火を揚げてみましょうか でも どうやって? 気合いがあれば出来るはずよ それなら、そうね 今日の夕飯は花火で決まり ヒ […]
sininen
僕はどうしてココにいるのだろう 誰か、どうか教えておくれ 青蒼碧、 あおい世界に閉じ込められた 何で、どうしてココにいるの 僕はどうして ココに堕ちたのだろう 君と二人、歩いていたのに 一緒に、並んで 光指す方へと進んで […]
buio
黒に染まった部屋で君を想う とても綺麗な優しい光の君よ 君とずっと一緒にいたい けれど、君を僕の色に染めるのは…… だから逃げた 君を黒に染めないために 暗い部屋で君のことばかり考えてしまう とても、とても苦しいんだ 君 […]
luce
白い明かりのついた部屋 私は貴方を待っているの 貴方と二人でずっといたいのに いつからか貴方はいなくなってしまった どうしてかしら? 私が嫌いになったのかしら? それでも、私は貴方だけを思うわ 朝が来た 窓を開ければまば […]
短歌log2
ふかふかのブランケットに包まれて 響くスヌーズ、ホーホーホッホホー 寝て起きて気づいたら十時過ぎの朝 目覚ましはすでに五度寝の朝 鼻すする風邪気味の君の言うんだ 「明日までには治すからね」と 月桃に集え集えとミツバチの […]