第11話 山の子供たちと疑問・2

「ねえ、あの子たちすっごい睨んでるよ?」 「睨んでないわよお、気のせいだって」  いや、どう見ても睨んでる子がいるんだけど……。 「ほらほら、ヒロト。川の近くにいる子はあの子たちだけなんだから、もしかしたらアカリさんを見 […]

第10話 山の子供たちと疑問・1

 ガタゴト、ガタゴト。ガタッ、ガタゴト。  ロロさんにお礼を言い、港町中央のバス停で南美橋方面行きのバスに乗ってから二時間ほど経っただろうか。  めちゃくちゃお尻が痛い。そして、振動で腰も痛い。 「背中まで痛くなってきた […]

第9話 港町とロロ・3

「お待たせ~。ごめんね、時間かかっちゃって」  ロロさんが自室のある二階から降りてきたのは、メルが眠ってから十分も経たないうちだった。 「飲み物を用意しようと思うんだけど、ヒロトとショッパはなにがいいかな? ちなみに、コ […]

第8話 港町とロロ・2

 お姉ちゃんのあとについて行くと、そこは港の近くにある二階建ての家だった。 「ここが私の家。パパは遠くの町の漁に参加しているから、しばらく帰ってこないし、ママは夜勤で今日は帰ってこないから、気にせずに入って」 「えっと、 […]

第7話 港町とロロ・1

 港町中央。  雪はそれなりに積もっているけれど、人通りが多いせいか歩くのに苦労はしない。  ……いや、する。  踏み固められた雪は滑りやすくて、スパイクのついた靴ではなく、ただの長靴を履いている僕には少し歩きづらいのだ […]

第6話 正八との出会い

 バス停は、思ったより遠くにあって、コガネくんのお母さんから逃げるように走ってきた僕は、バス停に着いたころには息も絶えだえ。  思わず咳き込んでしまったほどだ。  雪が地面に積もっているのに、よく走ることができたなあ。 […]

第5話 アカリを知る少年

「つまり、探し物屋は行方不明になっている人を必ず見つけたいと思っている人に出会えば、その人が探している人のいる場所がなんとなく分かるんだね」 「ええ、そうよ。そして、なくした物を探している人がいる場合は、その人を見たり、 […]

第4話 ナガレボシ三兄弟…光一、三希

「とにかく、探さないことには始まらないわ」 「うん、まあ……。そうなんだけどさあ」 「ぐ、ぐぅ……。悪かったわねえ!」  いや、悪いとは言ってない。  ただ、頼れると思ったら、思いのほか役に立たないことが判明したってだけ […]

第3話 ヒロト、探し物屋になったらしい

 さて、まずは情報をまとめてみようと思う。  今日の放課後、僕は小学校の図書館で本を読んでいた。図書館は、正式には図書室と言うんだけれど、この情報は関係ないから置いておこう。  窓際の席に座って、校庭で雪遊びをするクラス […]

第2話 ヒロト、探し物屋になる

 しんしんと降る雪が、いつもは騒がしい校庭を白く染めている。  まあ、ここは小学校なので昨日から降り出した雪にはしゃぐ生徒たちで校庭は雪合戦やら、雪だるま造りやらで騒がしいし、生徒たちに踏まれた雪は白どころか茶色くなって […]